| データウェアハウスを構築し、データマートを展開するためには、ユーザの視点、加えて顧客の視点に立った設計が必須となります。しかしながら、情報システムにかかわる我々が充分にエンドユーザや顧客の立場や考え方を理解できているとは言えません。業務についてもわかっているようで、わかっていない面がたくさんあります。情報システム担当者の中には、ユーザ部門のこまかな事情について関わろうとしない人も少なくありません。一方、エンドユーザ側はというと、ほとんどの場合は「システムのことは情報システム部門の役割」、「業務が忙しくて時間が割けない」など、なかなか協力的に付き合ってもらえる状況がつくりだせないのが現実といえるでしょう。
また、基幹系システムとの設計・開発手法との根本的な違いに気づいていないケースが多く、落としどころが見えないままズルズルとユーザ要件をまとめ、スケジュールが遅れていく。詳細設計の段階になって実データがなかなかもらえない、もらったデータに理解できない部分がある等々、スケジュールが遅れていく。というような症状に陥りがちなプロジェクトがほとんどのケースで見られます。
データウェアハウスとは、「業務の細かいことはさておき、コーポレートなデータウェアハウスを構築して、これを広く社内で活用するものだ」という考え方が根強く存在します。いいかえると、データさえ整備できれば、あとはユーザのためのツールが揃えば問題は解決するということです。しかし、これまでの多くの失敗事例の大半は、このような「データ中心」の考え方によるアプローチが原因となっていたことを見逃すことはできません。今日では「ユーザ中心」、「業務中心」の視点に立ち、データウェアハウス特有の実データありきの設計を理解し、起こりうるトラブル・障害を予測して、プロジェクト全体をマネジメントしていくことが、データウェアハウス構築プロジェクトにおいて求められるようになってきているのです。 |