出版業界全体を見ますと、2007年度は書籍と雑誌を合わせて33億6000万冊以上の売上規模で、出版社は4000社を超え、書店数は全国で17000店にのぼります。この業界のビジネス環境には以下のような特徴があります。

このような状況のなか、「返品率の減少」、「品切れを防ぐSCM」が大きな課題となっています。書店が売れ残りを返品する割合は、平均して年間39%という統計があります。一方ではベストセラー本などの売れ筋商品の重版が間に合わず、販売機会を逃すという問題も発生します。
「Publine」は、社内用に開発したシステムを出版社の営業担当が利用していた背景から、出版社・取次店向け実売データ検索・分析のASP形態での有償サービスとして1995年からスタートしました。

当時は、紀伊國屋書店のホストコンピュータで自社出版物のデータのみを提供していました。講談社をはじめとして80社ほどの出版社が利用していましたが、専用端末・専用回線の導入コストやデータ量の増大、サービス時間の延長など様々な要望や課題が出てきました。
その後ITテクノロジーの進化により、オープン環境でコストパフォーマンスの良い大容量データを扱えるプラットフォームが整ったことや、インターネットの普及により現在では「Publine
Web」が新しいサービスとして提供されています。出版社側はブラウザを利用することでユーザ数の拡大が可能となり、出版部・出版企画部・編集部・広告宣伝部・営業部など多くの現場でデータ活用が進みました。
また、他社の出版物の販売数値も公開したことで、営業や重版などの戦略立案に大きく役立つこととなり、業界全体のスタンダードサービスとして広く認知されるようになりました。藤井氏は「約10年間のIT環境の進化は劇的なものがありましたが、新しい技術を積極的に取り入れることでサービス時間やデータ量の拡張に耐えられる仕組みを作ってくることができた」とシステム部門の挑戦を振り返ります。
POSデータのほぼリアルタイム更新も可能となり、大容量の明細データをサーバの負荷だけで運用できるようになりました。データウェアハウスの浸透が各現場でなくてはならない指標として活用されるようになっていったのです。
2008年3月にはBookWeb、海外店舗、営業所の各メニューと紀伊國屋書店全部門(国内店舗、BookWeb、海外店舗、営業所、大学ブックセンター)の実売データ検索・分析メニューが追加され、サービス向上のための施策は続いています。
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