Essbaseで、全社経営情報システムを再構築し、情報活用の改革を実施
NECでは、全社向けの経営情報サービスシステムを再構築した。そして新しいシステムには、エンドユーザの操作性を第一に考えて多次元データベースエンジンである「Essbase」を採用。新システムでは、提供する情報が拡充され、ユーザインタフェースも改善されたことによって、利用者が拡大するとともに、情報に対する意識改革も実現した。
今回、システム再構築の対象になったのは、MDSSという事業部長の意思決定を支援したり、予算管理などの各種管理業務のサポートを目的にしたシステムです。旧MDSSは、全社共通システムとして構築されていたため、データが大まかになりがちでした。さらに、長い間、個別にシステムを開発しサービスを継続していたためシステムが肥大化・硬直化しユーザニーズに柔軟に対応できない等課題を抱えていました。また旧MDSSの対応不足のため各事業ラインごとに情報システム部門が設けられて、そこでも同じように情報を提供するシステムを作って活用しているケースが増えてきました。
現行MDSSの問題点や利用者のニーズをもとに、 【1】操作が簡単であること
【2】ユーザニーズへ即応できるということ
【3】情報システム部門の管理工数を削減するということ
【4】ユーザが使い慣れているツールで、データ加工できる
という、4つの目標を設定しました。この目標を達成すべく、96年8月からパッケージの選定を開始しました。最初に、机上で10数種類のパッケージについて比較検討を行ない、検討の対象となるパッケージをROLAP系とMOLAP系に分け、それぞれの分野から1つずつ最終候補を選択し、プロトタイプでの評価作業を実施しました。最終的には上記の4つの条件を満たす多次元の処理ができるMOLAP系のEssbaseと、そのフロントエンドツールCommander
Decisionの組み合わせを、選択しました。さらに、開発期間の短縮、開発に対する負荷の軽減といったことも選択のポイントとなりました。実際、かなり短期間でMDSS-㈼への再構築を完了しました。
<MDSS-㈼画面例>
パッケージのパフォーマンスに関してもプロトタイプを作成することで確認ができました。毎日約30万件のデータを処理することになるわけですが、レスポンスやデータロード時間に関しても問題がないことが明らかになりました。又、ソフトウェアの持つ機能、性能以外にパッケージ導入に関しては、提供しているベンダーのサポート力も評価の対象となります。ビーコンITにはデータウェアハウスに対する技術力があり、当社からの問合せに対するレスポンスが早かった、ということも選択の大きな理由です。
MDSS-㈼は社内情報と社外情報という2種類の情報を提供しています。提供している社内情報は営業情報、経営情報などを日次、月次で、社外情報はニュースフラッシュや株価、為替などをリアルタイムに提供しています。
MDSS-㈼は、セントラルウェアハウス、データマート、社外情報サーバーとWebサーバーで構成されています。セントラルウェアハウスに基幹システムからのデータを取り込み、蓄積します。データマートにはセントラルウェアハウスの情報を事業グループ別や月次・日次別に分割して、月次情報については翌月の5日に提供を開始、日次情報は翌日の朝一番に、情報の提供を開始しています。社外情報は、時事通信社から情報を配信してもらい、それを社外情報用WWWサーバーで提供しています。従来は人手で株価・為替などを入力していましたので、それに比べると運用工数は大幅に削減されました。
今後、MDSS-㈼は次の4点について強化を図って行きたいと考えています。第一に明細データを持っているセントラルウエアハウスとデータマートの連携です。セントラルウェアハウスと連携して、その情報を活用したいと思っています。また日次情報と月次情報など両方が並べて見られるように、データマート同士の連携も考えています。
第二にユーザへの一層の啓蒙です。本来の分析的な利用ができるように、ユーザ教育をしていきたいと思います。インストールで訪問した時は、MDSSユーザを訪問し、個別にニーズや状況を伺うと同時に、啓蒙を図ることを実践しています。第三に事業特性に応じたデータマートの構築です。各部門の個別ニーズに答える事業部毎のシステムを構築し、しかも全社共通の経営情報と一元的に提供できるように考えています。
最後に経営情報以外、例えば人事やマーケティングなどへの適応です。現在、経理グループやパーソナル事業グループなど個別グループでも、Essbaseを導入しています。このように、経営情報以外にも人事やマーケティング領域などへ、Essbaseの適応を図っていきたいと考えています。
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